まいひーろー
「大丈夫?
もう、メジャーとかどうでもいいから突き放しちゃえばよかったのに。」
「茜ちゃん?」
にっこり、と笑みを浮かべている茜ちゃん。
……だけど、視線を下にずらすと、太陽くんの手を力いっぱいつねっている。
すっごく痛そうだなぁ…。
と思っていたら
「ん……ふぐぅ……」
耳元では痛さに悶絶している太陽くん。
「いったぁ……」
ようやく茜ちゃんに開放してもらった太陽くんは真っ赤になっている手をさすっている。
…心なしか目がうるんでいるのは気のせい?
ただ、その姿にちょっとだけ可愛いと思ってしまった。
「つか、このメジャーなに?」
「…………」
「………イメチェン?」
「へぇーイメチェンに乗じて蕾にセクハラーへぇー。」
未だ太陽くんの体にぶら下がっているメジャーに茜ちゃんが問うと、不自然なほど爽やかに答えた太陽くん。
そしてそれを聞いた茜ちゃんの目がスーっと冷えていく。