まいひーろー


「腹へったぁー。」


授業終了のチャイムが鳴り丸井先生が教室を出たとたん、大声でそういって机にもたれこむ。


「太陽ーお前、さっきも早弁してなかったっけ?」


「パン一個じゃ腹の足しにもならん!」


「何キャラだよ!」
アハハと笑い声に包まれた教室中から突っ込まれる相沢君。



………すごいなぁ……。

いつだって、自然とクラスの中心に立つ相沢君。
対して、今までろくに"友達"と呼べるような人もいなかった私。

自然と尊敬の念を抱いてしまう。


「…っつーか、頭使いすぎて頭痛が……」


「お前どこが頭使ってたんだよ!
一問も解いてなかったくせに!!」



それを聞いて、思わず笑ってしまう。



それは、ついさっきの授業でのこと。





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