まいひーろー
「き、如月くんっ!?」
横を見ると、なんとそこには如月君。
劇が終わったとたんにどこかに行ったかと思っていた私は驚きに声を上げる。
「悪いけどあんまり話しかけないでやって。
この子男苦手だから。」
「えー。
俺らいっつも会えるわけじゃないんだしさぁ。
ちょっとぐらいいいじゃん。」
如月君の言葉に、男の人はへらへらと笑みを浮かべて立ち去る様子を見せない。
「俺が嫌なの。」
「っ!」
肩におかれた腕が離れ、腰のまわり力が入る。
如月君の思わぬ行動にドキリと心臓がはねるが、本人はそんなそぶりを微塵も見せなくて。
どうしよう、なんてすでに男の人のことを忘れこの状況に考えてたら、
「え、なにしてんの。
俺も話しいれてよ。」
「!!!」
きゃあああああ!
もう一人の王子登場に、とうとう女の子からの視線も強くなる。
さすがに、二人を相手に私と話す気も失せたのか男の人たちはそそくさと出て行った。
……んだけど。
「……おい。そこの変態王子。
その手を離せ。」
「嫌。」
「は!?
無理!無理!お前なんか俺に負けたくせに蕾から離れろ!」
「それは劇の話だろ。
やだ。お前ばっかずりぃ。」
「離れろってばー!!!」
「~~~!!!」
腰に巻かれた如月君の腕に、さらに太陽くんは片方から両腕で私を引き寄せようとする。
「蕾は私のだっつの!
お前ら二人とも離れろ!」
結局、茜ちゃんの助けで二人の王子からの拘束から解放されて。
やっぱり、この二人と一緒にいたら心臓が持ちそうにないです。