まいひーろー


二人して机に並んで座るも、私は黙々と教科書を取り出し口を開かない。



「……つーぼーみ?」


机にあたるぐらい頭を下げて、下から私の顔を見上げる。


けど、私は目を合わせないとばかりに教科書に視線を固定。
きっと見れば上目遣いの太陽くんにほだされてしまうから。


「……蕾が初めて怒ったぁあ」


「………」



……ん?


なんだか隣から、ぱぁぁあと効果音が出そうな声が聞こえたんだけど…気のせい、かな。


確認したいけど…目は、合わせないんだから。




「これは眉を寄せたレア蕾を写真に収めるべきか……」



「………」



横でぼそぼそ独り言をつぶやく太陽くんはもう放っておいて、私は勉強に集中した。
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