まいひーろー
「こーら。
何処行くつもり?」
「!」
ポカリと頭に軽い衝撃が感じる。
顔を上げて後ろを見てみれば、片手にクッキーの入った袋を抱えて立ってる相沢君が。
びっくりして何も言えない私を見てから、後ろを振り返って
「みんな、ごめん!!
俺らジャンケン負けてジュース買いに行かなきゃなんないから、クッキーは戻ってから食べんね。」
片手を立ててそう言う太陽くんに、みんなは「感想ちょうだいねー」とか、「太陽ジャンケン弱いもんねー」なんて言っているのを聞きながら、太陽君にさりげなく腕を引かれその場を離れた。
………繋がれた腕を後ろのみんなに見られないか、すごく心臓がドキドキした。
.
「相沢君は、モテるんだね。」
「モ、モテ…………!?」
突然ガサァ!!と音がしてあわてて振り返ると周りにクッキーの袋が散乱しているのも気付かず目を真ん丸くして突っ立っていた相沢君。
「いったいどう見たらそうなんの?」
「え、だって相沢君のこと見てる女の子もいっぱいいるし、それにクッキーだってみんな
持ってきていたし……」
現に今だってチラチラと相沢君への視線を感じるほどだ。
逆にこの状態を"モテている"と形容しないほうがおかしいとおもう。