まいひーろー
「それは、ただ単に興味があるだけだろ?
それに俺まだ彼女一回もできたことないし。」
「………一回も、ないの?」
「一回も、アリマセン。」
少しだけ頬を染めて笑った相沢君になぜかドキドキしたのには、気付かないフリをした。
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「蕾は、どれがいい?」
「えっ、わ、私………?」
自販機に付いた途端、そう言われて言葉に詰まる。
「私はいいよ……!相沢君は?」
「よくないよくないー。
勝手に連れ出したから、そのお礼。」
「…………」
答えを渋る私に、相沢君は。
「んーどれにしよっかなー。
激渋日本茶?それとも激熱おしるこ?それか激苦コーヒー?………あっ!!」
ガタンッ!!
軽快な衝撃音が響き、相沢君が自販機から恐る恐る取り出したのは、おじさんの顔がプリントされた糖度0%のブラックコーヒー。