まいひーろー
「…………蕾。」
「は、はいっ……」
「あんただけは、コイツに騙されちゃだめだよ……」
真剣な茜ちゃんに、私も真剣に頷く。
……横で、「はぁ!?」と素っ頓狂な声を上げる相沢君。
今日、わかった。
相沢君は人気者。
女子にも、人気者。
だけど、恋に関しては人一倍鈍感ならしい。
あんなにモテる相沢君が彼女が一人もできたことがない理由と、そしてあの時の反応がはっきりと今わかった。
「俺がいつ蕾んこと騙そうとしたんだよ!?」
「いつもだよこのド天然の鈍感タラシ男!!」
「はぁ!?!?」
茜ちゃんの厳しい一言に相沢君は戸惑いの表情を浮かべ、そして反論しようと口を開けた――そのときだった。
―――――ガララッ!!!