まいひーろー
そして、イントロが流れ始めて。
相沢君はマイクを握り締め、大声でこう言い切った。
「この歌は蕾に捧げます!!!」
「…………」
全身が硬直する私をよそに、他のクラスメートたちは
ヒューヒュー
やら、
太陽やるーー!!
なんてさらに場を盛り上げている。
当の私はどう反応したらいいかわからず固まるばかりだ。
「蕾、あんまり気にしないでいいから。」
さっきまで相沢君が座っていた席に、茜ちゃんがドカリと座る。
「でも、アイツの蕾に対する興味は異常だよねー聖。」
目の前に置いてあった相沢君のオレンジジュースを一気飲みしている茜ちゃんに聞かれた如月君は。
「きゃっ!?」
「どうしたの!?………って、こっちもか……」
左隣に視線を向けた途端、肩から体温を感じて。
その状況に気がついたとたん、火が出るくらいに顔が熱くなるのを感じる。
如月君は、私のことはお構いなしと言った様子で、私の肩で熟睡してました。