まいひーろー
「ごめんごめんっ、ボール当たんなかった!?」
しゃがみ込んだ私に、振ってきたのは甲高い女の声ではなく、男の人の声。
驚きでビクリと身体を揺らし、おずおずと頭を上げればそこには
「大丈夫?」
太陽の光で反射した眩しい金髪。
前の学校ではこんなに明るい色をした人はいなかったから、ジっと凝視してしまう、
「えっ……もしかしてどっか当たった……?」
「……あっ、だ、大丈夫です……!!」
心配そうに覗き込まれあわてて視線を下にする。
「…………そっか。
1年だよね?あとでばんそーこー持っていくから……「太陽ーーーお前の番だぞー」
「お、おー今行くーーー!!
んじゃまた後でね!」
去り際のあなたの笑顔。
まるで太陽だと思った笑顔。
私は無意識に、傍から見たらわからないくらいのぎこちない、それでいて純粋な笑顔を浮かべていた。