まいひーろー
キィイ………
「わぁ…………!」
重い鉄の音と共に視界に広がるのは、青天。
フェンスに駆け寄れば、ワーワーとにぎやかな声が耳に入る。
「ど?
ここの屋上はかぎ壊れてて入れるんだ。」
「………え?」
"かぎ壊れてて"?
「じゃ、じゃあここって自由解放……」
「してないよ?
勝手に入ってるだけだし。」
「…………」
あまりにもケロリとしている茜ちゃんに、危機感が薄れてく。
大丈夫…………なのかなぁ?
心の中で曖昧な相槌をとって、フェンスから景色を眺める。
右手にあるのが、1-Bだ。
ハチマキが青色だからすぐに分かる。
対して左手にあるのが3-D。
ここの体育祭は全学年が混合でクラス対抗だから、時間短縮のために4試合一斉にしている。
パァン!!
「………あ、始まった。」
試合開始のピストルが、グランドに響いた。