まいひーろー
「つか、仮にも受験生なんだからおとなしくしとけよなー。」
とかいいつつも、本日五個目の肉おにぎりに突入の相沢君。
「あっちは同じこと考えてるだろーな。
新入生はおとなしくしとけって。」
如月君も相沢君に負けずもう四個目のおにぎりを食べ終わりそうだ。
「ハッ、一年生舐めんなっつーの。」
「つか、太陽アンタ女子からかなり視線浴びてたけど気付いてた?」
「………うぁ?」
肉おにぎりの最後の一口をアーンと食べようと口をあけた瞬間、という間抜けなまま固まる。
茜ちゃんの言うことは実は私も気になっていた。
相沢君が活躍するたびに鳴り響く、あきらかに1-Bとはちがう黄色めいた悲鳴。
屋上からの傍観ということで、その状況は実に分かりやすかった。
どこに視線を動かしても、群れる女子で一杯だったのだ。
「………どうするって……」
パクッと最後の一口を口に飲み込んだかと思うと、そのまま一緒に飲み込んでくれたらよかったのにと思うような爆弾発言をいとも簡単に口にした。
「俺今一番興味あるの蕾だから関係ないしー。」
「…………」
思わずお箸で挟んだタコさんウィンナーがポロリと落ちる。