まいひーろー
「打倒!?」
「3-D!!!!」
スタート時よりも明らかに熱気の含んだ掛け声に負けじと周りも応戦する。
昼休憩も終わり残りは午後競技だ。
同率一位というある意味厄介なポジションから脱出すべくクラスメートたちは誰もが熱意を出していた。
………もちろん、金髪の中心人物も例外ではなくて。
むしろ中心人物なだけあって熱気もすさまじい。
「とりあえずは、ここで点数を稼いで。
3-Dは女子が勝ってるから、こっちは男子で落とす。」
「おっしゃ。
借り物競争は絶対勝てよ!!」
「任せとけって。」
なんだかんだ言われつつも、クラスメートたちに囲まれている相沢君。
ジーっとその姿を見ていると、バチリと視線が会ってしまった。
「………」
あわてて、視線をそらす。
第一、人と目が合うことなんてまず無かった私。
それだけで心拍数が上昇してしまう。
す、涼んでこよう…………
熱気に充満された一角から解放すべく、私はその場を後にした。