まいひーろー

『おぉーーーっと!!!
さっきマドンナに告白された相沢選手。
なんと連れてきたのは女子だぁーーー!!!』



実況の声にグランドが湧く。
何処を向いても視線が会ってしまい目のやりどころに困った私は地面に視線を向け手に引かれるまま足を進める。



『さぁ、相沢選手のお題はなんなのか。
まだ恋愛第3条のうち1つしか当たっていません!
もしかしたら相沢選手かぁー?』


実況の興奮冷めやらぬ声と、周りの騒がしさに、気が動転して身がすくむ。
だけど。


右手に感じる、温かい体温。
相沢くんのためだと思うと不思議と心が落ち着いてくる。


カサリ、と体育委員の人が相沢くんから紙を受け取り開ける。


『なんとぉーーーーー!!
まさかのまさか、恋愛第三条の一つ「キス」だぁーーー!!』



キャァァアアア!!!!




割れんばかりの悲鳴がグランドを包み込む。




…………キ、キス?







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