まいひーろー


..



「蕾ーーーー!!
はやくはやくっ!!!」

やけに気分の高い茜ちゃんに私は慌ててついていく。



「………聖、本気でやばくなったら金貸してくれ。」


「利子50%な。」


「んなバカな!!!」


その後ろを悲壮な顔して財布を見つめる相沢くんと如月君が歩く。




「んでも、蕾がゲーセン初めてとはビビったなー。」


ガヤガヤと騒がしく、周りには機械の並ぶ中、茜ちゃんはそう言う。
どうして、"げーせん"いわく"ゲームセンター"というところにいるかというと、それは茜ちゃんの一言から始まった。


..



「太陽の全おごりでどっか行こうよ。」


「………ハッ!?」


「俺さんせー。」


「………」


昼休みの静かな教室の中で、三人の明るい声が響く。
そんななか、茜ちゃんの一言に一人はあわてて茜ちゃんの方を向き、一人はモグモグとおにぎりを頬張りながら即答する。


そして私は、朝早くから作ったお弁当の一つ一つを消費しながらその三人の話に耳を傾けていた。


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