まいひーろー
………そういえば、おばさん今日しょうが焼って言ってたっけ……。
帰ったらまたお手伝いさせてもらえるように頼んでみよう。
横で茜ちゃんと相沢くんと如月君が話しているのを耳に入れながらぼーっと考える。
「………で、蕾は?」
「……へ?」
「へ、じゃなくて。
太陽のおごりでどこか行こうよ。」
「わ、私も?」
「蕾がいなきゃ始まんないでしょ。
第一今日は太陽があんなバカなことしたお詫びに、なんだから。」
「じゃあ俺がオゴるのは蕾のだけでいいだろ!!」
「あんた、私が死ぬ思いでお前にキスしたかわかってんの?」
………それは私も分かっている。
あの時の般若のごときの顔はそりゃあもう心底嫌だったに違いない。
ただ、ファーストキスを免れたのはやっぱり茜ちゃんのおかげで。
あの後茜ちゃんに自分の思ったことはちゃんと口に出さないと流されちゃうよと軽く説教された。
………やっぱり、茜ちゃんはすごいなぁ。