まいひーろー


『つぎは背景を決めてね!』と、声を聞きながら、真横に相沢くんの顔があることに急に意識してしまう。


「うーわ、たくさんありすぎて悩むなー。」

相沢くんの指がモニターの上をうろうろ旋回する。
……指、長いなぁ。
…って、何考えてるの、私。
なんだかおかしい自分に顔に熱が集まってくるのを感じながらも、相沢くんがこっちを見ないように、とひそかに願う。


「よっし。俺はこれ!蕾も決めて決めて!」


「わ、私?」


『あと30秒だよ!』


狙ったのかなんなのか、私が声を上げた途端にモニターから声が聞こえて、なおさらに慌ててしまう。


「えーと、えーと……」


「にーじゅ、じゅーきゅー、じゅーはちー……」


「えっと、えっと……!」


隣で意地悪くもカウントダウンする相沢くんに、私はピンク仕様の背景のところをタッチした。
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