まいひーろー
…けれど。
なんだか、さっきの言葉がふに落ちない。
やっとプリクラを切り終えた後、ニッコニッコと笑みを浮かべながらケータイでなにやらしている相沢君に、私は決心して口を開いた。


「………ねぇねぇ、相沢く…」

「ストップ。」


と、突然ケータイから視線を外したと思うと拗ねた表情でこちらを見ていて。
なんだろうと首をかしげる。


「なんで、運動会の時は名前で呼んでくれたのに、今は呼んでくれないの?」


「えっ………!?」


正直、触れてほしくなかった話題を唐突に投げられて言葉が詰まる。
……本当は、言おうと、思っていた…けれど。
なぜか恥ずかしくなってしまってなかなか太陽くん、と呼ぶ事が出来なくて。
もういいかな、と相沢くんにまた戻ってしまったのだが、まさか本人から直接言われるとは思っていなかった。

それに太陽くん、と呼んだのだってあの時の一回だけだったから。


「最初、呼んでくれたときなんか嬉しすぎて頭真っ白になったんだから。」


「い、言いすぎだよ!」

恥ずかしげもなくそんなことを言われて、こっちが恥ずかしくなってくる。


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