まいひーろー
「んで、運動会で各学年で優勝したクラスは演劇部とかのほかに舞台が使えるの。」
まぁ、別に拒否権も一応あるらしいけど、そんなみすみすハンデを投げるような奴いないしねぇ。と茜ちゃんは付け加える。
「基本的に文化祭の優勝を決めるのは売上金額なんだけど、舞台に関しては一人500円換算で加算されるから、いっぱい人を集めればそれだけ勝つ見込みが増えるんだよ。」
一方で、相沢君はよっぽど文化祭に燃えているのか、声が弾んでいる。
「正直、運動会でもらった文化祭予算も劇でほとんど使っちゃうもんねぇ。」
「そうそう。
……んで、俺らのクラスは劇と教室で何かをする、…っていうこと。
わかった?」
ふと如月君が私の弁当から卵焼きを割りばしでさらっていったのを視界の端でとらえながら頷く。
……いつの間にか私のお弁当からおかずをとるのが普通になってるんですが…。
特にお弁当の量が少ないわけではないし、別にいいのだけれど。
如月君が卵焼きを頬張っているのを横目で見つつも、私は質問した。