まいひーろー
「…それで、劇が白雪姫………?」
まだキャストは決まっていないが、先ほどみんなが盛り上がっているのを後ろから見ていたら、いつの間にか黒板には『白雪姫、決定』の文字が書いてあって。
それを見た時、相沢君が王子役なんだろうなと漠然と思った。
…じゃあ、白雪姫役は茜ちゃんかな?
と、想像してみると結構楽しい。
「まぁ、王道のが受けいいって先輩言ってたからな―。」
「でも香奈が結構大胆にアレンジするって言ってたよ。」
香奈…っていうと、多分脚本役の子だ。
出来るだけ早めに活動したい、と言うことで脚本役のほかにも、監督、照明、音響はさきにきまっていた。
ちなみに監督はなぜか丸井先生。
相沢君曰く、俺がやるからマルは寝てていいよ!…とのこと。
つまりは王子と監督とを兼役するための代打、ということらしい。
「次のHRで残りの役と裏方を決めると思うよ。」
と言っている相沢君の顔がやけに緩んでいる気がする。…のは私の気のせいなのだろうか。
「そういや、教室の出し物も決めなきゃだよね。」
茜ちゃんの言葉にすっかり頭の端に追いやられたことを思い出す。
というか、思い返せば先ほどの数学の残り時間で決めたことはほぼ…というか全部劇のことで、教室の出し物については何も話しあってなかった気がする。
「あぁ、それなら」