まいひーろー


「後で言うつもりだけど、お化け屋敷がいいんじゃねぇかなって。」


「お化け屋敷?」


茜ちゃんの声に、相沢君はパンを頬張りながら頷く。
……パンくずがこぼれてるよ。
思わずクスクス笑いが漏れてしまう。


「だって、お化け屋敷だったら顔が見えないからお化け役は誰でもできるし、劇に使う布とか、小道具なんかはついでに作れるし。
喫茶店とかだったら料理とか作んないといけねぇから、ここら辺が無難だと思うんだけど…」


お化け屋敷だったら、結構名前だけで客呼べそうだし。
という相沢君の言うことに茜ちゃんは特に反論する様子もなく。
…ちなみに如月君は二個目の卵焼きに突入している。


「ふーん、まぁいいと思うよ。
……あ、」


「………あ?」


相沢君が次のパンの袋を開けた時。
茜ちゃんが言葉の最後の不自然な間を開け、相沢君は茜ちゃんを促すように見る。

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