まいひーろー


「…………お化け屋敷もいいけどさ、迷路屋敷は?」


「……あぁ!
そっかぁ。その手もあったか……」


相沢君と茜ちゃんが、教室での出し物の話をしているのを大人しく聞いておきながら、時折如月君のお箸が突入してきつつ、お弁当にお箸を進める。
そして、お弁当の中身が空になった時、水筒を持ってくるのを忘れたことに気付いた。


「……あの、私お茶買ってくるね。」

「いってらっしゃい。」

「あ、俺も行く!」

「………」

静かに席を立った私に、相沢君はガタガタッと音を立てて立ち上がる。
……如月君、起きてないかな。
ご飯を食べ終えて眠たくなったのか、机で突っ伏す如月君を見るが先ほどと変わらず規則的に上下する体を見て起きてない事を確認する。

それから、茜ちゃんに見送られながら(相沢君を睨んでなくもない気がしたけど)私と相沢君は教室を出て、食堂のすぐそばにある自販機へと向かった。
< 97 / 184 >

この作品をシェア

pagetop