完◆ ぐだぐだ
携帯電話が俺と陽菜を繋いでくれたのは事実。
でもそれは“現代的”な恋愛で、それは母親の時代には存在しなかったもの。
俺達の恋愛は、20年前と果たして“価値”が変わってないと言えるのだろうか。
解約すると言いながら、携帯電話を手放せと言われたら、
俺は今更ムリだと言う。
1万円あげるから手放せと言われても、ムリだと言う。
…だって陽菜以外と連絡とるしさ。
当たり前に手の平にあるし。
そう、俺にとって携帯電話は価値のあるものだと言える――
暇なもんで陽菜の存在を抜きに、
携帯電話のいいところを考えることにした。