完◆ ぐだぐだ
「なあ!俺らは“古風な恋愛”をしよう!!
陽菜みたいなのは“ゆとり”なんだぞ!!」
一生懸命訴えた。
だって携帯電話のない陽菜との生活は、
きっと薔薇色で今までより素晴らしいんだ。
また陽菜を好きになれるはず。
ときめきを。ドキドキを。
「―――私達に携帯電話は必要ないかもしれない」
陽菜が言った。
「?!」
…正直驚いた。あれだけ四六時中携帯電話にべったりだったくせに。
嬉しくて。携帯電話を介さなくとも、話せば分かるんだと。
いざとなればすんなり手放せるもんなんだな。
――それだけ俺の気持ちを汲み取ってくれたのかな。