完◆ ぐだぐだ

「なあ!俺らは“古風な恋愛”をしよう!!

陽菜みたいなのは“ゆとり”なんだぞ!!」


一生懸命訴えた。
だって携帯電話のない陽菜との生活は、

きっと薔薇色で今までより素晴らしいんだ。


また陽菜を好きになれるはず。
ときめきを。ドキドキを。



「―――私達に携帯電話は必要ないかもしれない」

陽菜が言った。

「?!」


…正直驚いた。あれだけ四六時中携帯電話にべったりだったくせに。

嬉しくて。携帯電話を介さなくとも、話せば分かるんだと。

いざとなればすんなり手放せるもんなんだな。


――それだけ俺の気持ちを汲み取ってくれたのかな。

< 137 / 220 >

この作品をシェア

pagetop