完◆ ぐだぐだ
普通は泣くのでしょう、私は笑っていました。
涙を流しながら笑いました。
お説教なんて聞かなくてもね、分かったんです。
私って…すごく母に必要な存在なんだって。
予想外の帰宅は
――母親の勘。
母親の、勘。
南ちゃんの母親の勘。
「…いつまでも女で居てね」
私の発言に意味が分からないといった顔の母は、
“お母さん”だった。
ほうれい線が目立つ、目尻にコジワのある、唇に縦にヒビが入っている、
手がカサカサしたお母さんでした。
南ちゃんは南ちゃんなのに、南ちゃんではなかったんです。