完◆ ぐだぐだ
私、決めました。
母をずっと南ちゃんと呼びます。
結婚式の手紙の時に“お母さん”と呼ぼうと思います。
だから私は言いました。
「南ちゃん…、綺麗だよ」
綺麗だ。
白髪が明るい色になった髪の、酒で焼けた声の、
――母は綺麗。
大好きだった母は、いつも側に居たのに。
母は言いました。
「あんたが友達に自慢したくなるように綺麗で居るからね」
ツンとした突き放す言い方はサバサバしている。
媚びない母は魅力的です。
母親らしい台詞を、どうして私は言われるまで気付かなかったのでしょう。