完◆ ぐだぐだ

どうして避けたりしたんだろう。

どうしてばあちゃんが死んだ時、俺は泣けなかったんだろう。


お葬式、頭ん中は海水浴でいっぱいだった。



どうして、俺は…。



じいちゃんがちっさくて。
それこそ強く叩けばボロボロに折れちゃいそうだ。

頼りないじいちゃんは、田舎で一人ぼっち。


じいちゃんはずっとじいちゃんだったけど、

今目の前に居るじいちゃんは…花みたいに。

――か弱いんだ。



消えてしまいそう。
ばあちゃんみたいに、あっという間に。

知らない間にどこかに行ってしまうんじゃないか、と。


俺のじいちゃん。

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