完◆ ぐだぐだ

じいちゃん、ごめんな。
汚いなんて思ったりして。

あの頃の俺はあまりにガキ過ぎた。小6の俺は22歳になって。

社会人をやってるよ。



ばあちゃんが居なくなってから、じいちゃんは変わった。

やたらお小遣をくれるようになって。

俺、その度に有り難がらずに使ってた。


じいちゃんは寂しかったのに。
ばあちゃんが居ないのに。


「じいちゃんっ、死なないで」

泣きながら抱き着く俺を、骨みたいな体が抱きしめて返してくれる。


「おお?おじーちゃんは足を折っただけでぇ?」

笑うじいちゃんに。

何も言えない。




< 212 / 220 >

この作品をシェア

pagetop