完◆ ぐだぐだ

「じいちゃん、…ばあちゃんに会いたい?」


分かったんだ、俺がじいちゃんを避けた理由。

思い出なんかたいしてない、ばあちゃんの死を、

受け入れずに居る俺だから――


じいちゃんと仲良くして死なれるのが怖かったんだ。


ばあちゃんもじいちゃんも好きだから。


好きじゃないフリをしたかったんだ。


だって、嫌いな奴が死んだなら泣かないんじゃないかと。

浅はかな。

子供なりの強がり。



じいちゃんとの空白は十年あって。

じゃあまずあと十年は長生きしてもらわなきゃ。


骨折なんかせず、虫歯なんかならず、蚊にさえ刺されず…


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