完◆ ぐだぐだ
「誓いのキスがファーストキスだな」
「…幸せだね?」
「うん、幸せだな」
笑い合う二人は、
今夜も手さえ繋がない。
隣に居る、それだけ。
何より幸せだ。
友達からはオカシイよと言われる。
本当に好きじゃないんだろう、なんて。
不思議でしょうがないらしい。
今更戻れないのだから。
人生でたった一回。
明菜と泰則の淡い青春。
カップルの数だけある愛し方。
最近の若い子の過半数には入れないかもしれないが、
あえて時代に逆らってみる。
そんな二人のような青春ではなく、
大衆な〓青春〓に憧れた男が居た――