完◆ ぐだぐだ
今の俺がどんなにのぞんでも不可能だ。
先生に反論してみたり、友達と殴り合ってみたり、バイトをさぼってみたり、
――そういう過程で学ぶべきことを俺は知らない。
最近多くないか?
真面目が取り柄の人だって人に害を加えたりする。
もしかしたら、子供時代に悪さをしなさ過ぎたからかもしれないんだ。
勉強ばっかで社会との距離感が分からなくなったからかもしれないんだ。
そうしたら、優等生が100パーセント良い訳でもないし。
つまり5対5だ。
優等生も悪も、最後どうなるかは本人次第。
それでも俺は、――そういう奴を、ずっと馬鹿にしてた。
ガキだなと、俺はあんなダセェ奴にはならない、と。
けなして批判して、心の中で嘲笑っていた。