完◆ ぐだぐだ
否定するのは簡単だ。
だっていくらでも屁理屈は叩けるから。自分を守れるから。
本当は憧れていたくせに――
そう、青春時代を“高校生らしく”過ごすには勇気が必要で―――
不良になるのも、ヤンキーになるのも、チャラ男に女が憧れるのは、
きっと………。
勇気なんか人生で一度たりとも使ったことがない。
それは悲しいから――
「好きです」
秘書の女に言ってみた。
まだ20歳の、
短大卒の、
若い――
「…ごめん、気持ち悪いおじさんだね」
馬鹿みたいだ。
何を言っているんだか。
まるでガキだ。
フラれるのが怖くて、すぐに本音を隠す。