契約恋愛
「やっぱ兄弟だね…」
「ん?なんか言った?」
「ううん。何でもない」
首を横に振る。
凛ちゃんと陸君は二人の世界に入っていて、私達の存在を忘れてるみたいだった。
…い、いずらい。
智紘君もそう思ったのか、小声で私に言ってきた。
「ねぇ、どっか行かない?この二人置いて」
「う、うん…そうしよっか」
自分の分のお金をテーブルにおいて、店を出る。
はぁ…まさか凛ちゃんがあんな人前でイチャイチャするとは…思ってもみなかった。
「ねぇーどうする?これから」
「あ、私はもう帰るよ。じゃ…」
智紘君に背を向けて歩き出すと、急に腕を掴まれた。
「いーじゃん、ちょっと遊ぼうよ!」
「え…でも……」