契約恋愛




「うん?それは、この景色に感動してだよね?美鈴ちゃん」



ニコッと笑って私を見る、智紘君。



……うん



そうだよ、私はこの景色に感動して泣いてんだ。



コクッと静かに頷く私を見て、真紘は私の腕を掴んだ。



「行くぞ、美鈴」



「え…?」



「何してんだよ、真紘。今は俺と美鈴ちゃんが……」



「黙れ。今契約してんのは俺だ。お前は口出しすんじゃねぇ」



智紘君を思いっきり睨むと、私の腕を掴んだまま何処かに引っ張っていく真紘。



…契約。



私の心にはその言葉がグサッと突き刺さった。



契約なら、こんなことしないでよ。



ヤキモチかもって期待しちゃうじゃん。



…これ以上



真紘を好きにさせないでよ。
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