契約恋愛
「真紘…」
「あ、ごめん」
パッと手を離して、振り返る真紘。
「……智紘とは、いつから仲いいの?」
「いつって、今日初めて喋った」
「今日何処で会ったの?」
「えっと、ファミレス」
”そっか”と小さく呟いて、歩き始める真紘。
えっと、私はどうしたらいいんだろう……
ぼけーっと突っ立ってると、真紘が振り向いて近づいてきた。
「ほら、行くぞ」
「え…?」
手を差し出して、私を見つめる真紘。
でも、手って…
「契約だと、手つないじゃいけないんじゃないの…?」
「今日は特別。変なとこ見せちゃったし、お詫び」