契約恋愛
「真紘から、どうぞ」
「いや、美鈴から…」
「そう?分かった」
スゥと大きく息を吸って、真っ直ぐ真紘を見て言った。
「今までありがとう。契約恋愛、楽しかった!真紘とは、本当にちょっとしかいれなかったけど、いい思い出になったよ」
「バイバイ」
それだけ言うと、急いで屋上を出た。
バイバイ…真紘。
バイバイ。
「ハァ……ハァ。泣かないって、決めたのにな」
はははと笑って、ぺたっと床に座り込む。
真紘…真紘…
もうあなたのそばには居れないんだね。
あなたと話すこともないんだね。
悲しいよ、寂しいよ。
でも、これで良かったんだ……
良かったんだよね、真紘…――――――