契約恋愛
『美鈴さ、智紘君を好きになるように、頑張りなよ』
「……うん」
頑張るよ、頑張るけど……
好きって頑張ってなるものなのかな?
はぁとため息をついて、玄関のドアを開ける。
「凛ちゃん、もう家に着いたから切るね」
『うん、分かった。じゃまたね』
「うん、バイバイ」
凛ちゃんとの電話を切り、家の中に入る。
「ただいまー」
「お帰りー美鈴!ちょっとこっちに来て!」
自分の部屋に行こうと、階段にかけていた足を下ろし、お母さんのいるリビングに向かう。
なんだろう?
「どーしたの?お母さん……げッ」