契約恋愛
婚約者
「おーすっ」
ソファーに座って、こっちを見てる彼。
何でいるの?
「……拓?」
「おー久しぶり、美鈴!」
ニカっと笑って、私に近づいてくる拓。
「あいかわらず変わらねーな」
「そっちは、背が伸びたね。たくましくなったんじゃない?」
彼を下から順々に見ていく。
2年前よりも、ずっと男っぽくなった。
「そりゃどーも」
嬉しそうにはにかんでいる拓は、2年前からアメリカに留学していた。
経営学を学ぶために。
そして、自分のお父さんの会社を継ぐために。
そう彼は、お金持ちのボンボンなのである。
そんな彼がなぜ私の家にいるかと言うと、それは
私の幼馴染であり婚約者であるからだ。