契約恋愛




「で、いつ帰ってきたの?」



「今日。今さっき」



「家には?帰ったの?」



「いや…」



「何で帰らないの?」



その質問に、拓は困ったように笑った。



何か帰れない理由があるのかな?



そう思ってもう一度聞こうとしたら、拓が口を開いた。



「実はさ、親父に……帰ってくるなって言われた」



はははと乾いた笑いをして、私を見る拓。



はははじゃないでしょ!



「何で!何があったの?」



「……いや、えーっと」



困ったように私から視線をはずして、理由を言わない拓。



なんなの、もう!



はっきり言いなさいよ!!


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