契約恋愛




「何考えてるの?」



「……美鈴」



私の名前を呼んだ途端、拓はキスをしてきた。



な、何してんの!?



慌てた私は、止めてもらおうと拓の胸を叩くが、拓はいっこうに止めようとしない。



く、苦しい…



「ん…ッ……た、たくぅ……や、…めて」



酸欠で苦しくて、胸を叩く手の力が強くなったときようやく止めてくれた。



はぁはぁ……ありえない。



彼氏がいるって言った、私に何でキスするの?



「ごめん、俺……」



「何すんのよ。彼氏がいるって言ったでしょ」



「ほんとごめん。俺帰るわ」



そう言って靴を履き始めた、拓。



あれ?



確かお父さんに帰ってくんなって言われてなかった!?
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