契約恋愛
「ちょっと、どこに帰るの!?家には帰ってくんなって言われたんじゃないの?」
「あ、……」
拓は思い出したのか、靴をはいてた手がピタッと止まった。
ほら、やっぱ行くとこないじゃん。
「行くとこないんでしょ?泊まっていきなよ。拓もそのつもりで来たんでしょ?」
「そうだけど…遠慮するわ」
そう言って出て行こうとする拓。
どこ行くの?
「何で…!」
「…美鈴襲っちゃいそうだから」
「は?」
あれ?私の耳おかしくなった?
今、”襲っちゃいそう”って聞こえたんだけど。
気のせいだよね?
「今日の美鈴、可愛いんだもん。襲いそう」