契約恋愛
「美鈴~2週間会えなくて寂しかったよ!」
拓が近づいてきて、私の頬にキスをする。
ば、智紘君の前でなんてことっ!!
チラッと智紘君を見ると、ふてくされたような顔をしていた。
「ちょ、拓…」
「いーじゃん。俺達婚約者なんだしっ」
よくないー!!
拓の言葉に、智紘君がピクッと反応した。
「婚約者…?」
「そう。俺と美鈴は、婚約者」
なーと言って肩を抱く拓。
私はどうすればいいか分からず、ただ智紘君を見ないように俯いた。
これが俗に言う、修羅場?
いや、でも私悪いことしてな……
くもないのか。