契約恋愛
拓の気持ち
「拓……」
「美鈴、俺さ……」
拓が俯いたまま、話し出す。
「俺、ずっと昔から、美鈴のこと好きだった。幼稚園の頃からずっと」
「うん」
「俺は美鈴に分かってもらってると思ってた。俺が美鈴のこと本気なの。でも違った。俺が他の子にキスされようが、告白されようが美鈴は知らん顔だった。だから本当は、俺に興味ないこと知ってた。でも離れたくないから、知らない顔してそばに居た」
知らん顔なんかしてない。
本当は私も、拓のこと本気で好きだった。
でも拓が他の人にキスや告白されるたびに、私は遊びなんだって思い知らされて興味ないふりしてた。
「……美鈴、愛してる」
”愛してる”初めて言われた言葉。
胸の中にスーっと染込んでくる。
拓……ありがとう。
でもその言葉、もっと前に言って欲しかった。
2年前のあの日に―――――――