契約恋愛





「私、初めてだったの。あんなに好きって言ってもらえたの」



「うん」



「凄い嬉しくて、本当に嬉しくて。こんなに想ってくれる人いないと思った。でもね…」



「待って」



智紘君は私の言葉を止めた。



このタイミングで止めるって……



「美鈴、聞いて?」



「うん」



「俺もね、こんなに一人の人を一途に好きになったことなかったんだ。でも美鈴を見た瞬間、なんか衝撃を受けたんだ」



「うん」




「この人がきっと俺の運命の人って、思った。でも、美鈴は俺じゃなくて真紘が好きだったんだ」



「うん」



ごめんね、智紘君。



私のこと想ってくれてたのに。



ごめんなさい。



本当に、ごめんなさい。
< 62 / 81 >

この作品をシェア

pagetop