契約恋愛
告白
朱美ちゃんが私のほうをキッと睨む。
怖い。
そう思った。
この子は、真紘を手に入れるなら何でもする子だ。
「今見ての通り、私たちはあつーいキスを交わしたところなの。あんたの入ってくる隙なんかねぇーんだよ!!」
キス…
私の頭にはその言葉が響く。
キスキスキス
ズキッとまた痛み始める胸を押さえながら、彼女を見る。
あれ?また痛くなってきた……
何で……
痛くなる胸を押さえながら、しゃがみこむ。
それと同時に、ドガッという鈍い音と温かい何かに包まれた。
え…今何が。
ゆっくり顔を上げると、真紘が私を抱きしめて朱美ちゃんが足を真紘の背中からおろしている所だった。