契約恋愛
「そうだよね、私みたいな暴力女いやだよね…真紘だってそう思ってるでしょ?」
「そんなこと…」
「思ってるでしょ!?」
朱美ちゃんの叫び声に、店の人が慌てて私たちの元にやって来た。
「あのすいません……お静かにしてもらってもいいですか?」
「あ、すいません」
ペコッと頭を下げて、店を出て行く私たち。
他のお客さんも白い目で私たちのことを見ていた。
「美鈴なんかごめん」
「ううん。それより朱美さん…」
「気安く名前呼ばないで!」
キッと私を睨んで彼女は何処かに行ってしまった。
「…美鈴ごめんな?」
「あ、ううん。こっちこそごめんね」