契約恋愛
「何で美鈴が謝るんだよ…」
困ったように笑う彼を見て、私は何も言えなかった。
「…ありがとな」
「え?」
突然お礼を言う真紘に思わず顔を上げる。
何でお礼…?
不思議に思って真紘を見つめると、髪をぐしゃぐしゃにされた。
「何すんのー!」
「はは、美鈴可愛い」
ドキッ
真紘の”可愛い”と言う言葉で、私の胸はありえないぐらいドキドキする。
真紘は何でそんなさらっと言うの?
他の子にも言ってるの…?
「…ありがと、てか朱美さん大丈夫?」
「んー…多分平気」