2番目の―女―



ツンツンした髪の男に案内され、あたしは愛と店内へと入った。



「お客様ご来店でーす!」

「いらっしゃいませぇー!!」


薄暗い照明にトランスの流れている店内。

スーツを着て髪をセットしている男達。


ずらりと並ぶテーブルとソファー。



全てが新鮮で初めて見る景色。


一瞬にして、お姫様になった気分。



「こちらへどぉぞ」


案内され、真っ白なソファーに座る。


「飲み物はどぉされますか?」


「あたしら焼酎で良いです!あ、割り物は水とオレンジジュースで」


「了解!ちょっと待っててね」



「何、あの髪型。派手だねぇ。雑誌のモデルみたい」


「皆目立って売れる為に頑張ってんのよ。あ、さっき話してた空斗くんは現役モデルなの♪だから一度来てみたかったんだよね〜」



モデルがホスト?!


ホストがモデル?!


どちらなのかは分からないけれど、ホストとモデルを両立出来ているなんて凄いと思う。



「へぇ。じゃあかっこいいんかな?」


「神レベルだよ、この人!」



さっき差し出されたメニュー表に沢山のホストが写っている写真。

いわゆる男メニューってやつ?



その中で、ダントツでイケメンの人を愛が指差した。



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