2番目の―女―



空斗はニコッと笑いながらあたしを見つめている。



「…な、な…何よ?」


「…何かご機嫌斜めな姫様が居たから来ちゃったの。失礼しても宜しいでしょうか?」



空斗はグラスを持ちながら愛に向かって微笑む。


「もちろんっ♪どぉぞ!待ってたんです、来てくれるの♪」


「ありがとうございます♪お名前お伺いしても宜しいでしょうか。」


「愛でぇ〜す♪」



「愛ちゃんね♪…ん?座らないの?」


空斗は突っ立っているあたしの方に振り向いた。



「…あたしは……帰る。」


「何で?つまらない?」


「……うん、何かイライラするし」


「もしかして…僕がイライラさせてる?」



どことなく寂しげな表情をする空斗。


ドキッ



わざとだとは分かっていても、何故かドキドキしてしまう。


あたしのお客さんもこう感じてくれているのかな?



あたしはちゃんと演じていられてるかな?


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