2番目の―女―



結局空斗に説得され、あたしはまたソファーに座る。


「…ふぅ」



空斗は「俺がついてる間楽しませるから、それで楽しめたらラストまで居てね?もし楽しめなかったら…帰って良いから」とあたしに言ってきた。




空斗があたし達の席に来るまでの1時間、龍以外にも数人ついた。

その証拠に目の前には名刺が何枚かある。



それを見たって、誰が誰だか分からない。


それに記憶にさえ残らないくらい、つまらなかった。



唯一龍だけは愛が気に入った為、長い間ついていたしまともに喋った。




「空斗、リスト」


マイクで内勤らしき人が言った。



「…あら、呼ばれちゃった」


「リストって…?」


「んー、簡単に言えばこっち来いって事!」


「人気者なんだね」


「…多分シャンパンおりたんだと思う」




シャンパンか。


「まぁ…♪ヤキモチ妬いてるお客さんが居るのかな?」


「多分ね…(笑)でも必ず戻って来るから待っててね、2人とも。あ、優美ちゃん!ホスト初めてならコール見るのも初めてでしょ?」


「…うん」


「ちゃんと見ててね♪」


そう言い残し、空斗はあたし達の席を離れた。



空斗のお客さんでここのお店は埋まっていると言ってもおかしくない。


確かにこの状況じゃ、あたし達の席に来る確率なんて50%よりも低いだろう。



ホストも大変なんだね。


一気に何人もお客さんが同じお店に集まるんだから。


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