2番目の―女―
10分もかからず、交差点に着いたと連絡が来た。
あたしは急いで外に出るとふらふらした遥と、そんな遥を支える背の高い男の子が立っていた。
「…おぉ?永遠ちゃんやー」
そう言いながら近寄ってきた遥は酒臭い。
だがまだ飲む気みたいで、片手にはお酒の入ったビニール袋を持っている。
「…こっちだから」
あたしは遥達の前を足早に歩く。
何故だか緊張してるというか…照れてるあたしが居た。
人見知りって損だ、と改めて実感した。
それにあたしは源氏名を教えてある。
尚更親近感なんて湧かない。
「よし、飲むで!」
遥はあたしの肩に腕を回した。
「ちょ…っと!重いって。離してよ」
「ええやん、別に〜。」
「イヤ」
あたしは遥の手を無理矢理どかして、家のドアを開けた。
「おじゃましまーす」
「…お邪魔します」
あたしの後ろをとぼとぼと2人が歩いてくる。
部屋に入ると愛がベッドに座りテレビを見ていた。
「初めましてっ♪」
「…あっども♪」
「……」
遥と一緒に来てる男の子はあまり喋らない。
容姿は若々しくて遥とは違う系統。
遥はサーフ系。
その男の子はギャル男って感じで、色黒にピアスにヒョウ柄の服やハット。
派手だ。
「わーい♪飲もうよ」
愛が遥の持っているビニール袋を受け取り、お酒を机に並べる。
「俺はビールでええわ。真司は?」
「……俺も」
「あたしチューハイ♪」
「…あたしも」
案の定喋ってるのは遥と愛だけ。
愛はギャル男の真司くんの横に座った。
自然とあたしの隣に遥が座る。
ドキドキ
何ドキドキしてるんだろう?
あたしってこんなうぶだったっけ?
「…優…あっ!永遠も早く飲みなよ」
愛には永遠と呼んで欲しい、と頼んで居たので遥達に本名はバレていない。
あたしはチューハイを手に取り、缶のフタを開けた。